ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
店員も兄ちゃん達も何やら騒いでいる。

1人ムキになって走ってくる奴がいる。

顔を押さえながら。

『ふざけんな!てめぇら!』


やがて、諦めたようだ。



ぼくらは無我夢中で走った。


弥生は走りながらゲラゲラ笑っている。


ぼくもなんだか可笑しくなってきてゲラゲラ笑いだした。



端から見たら、頭のおかしい2人だ。



気が付くと港まで来たいた。


はぁはぁ言いながら言葉にならない。


しかも、ダッシュしたことで酒が猛烈に回ってきて、気持ちわるい。



弥生がフラフラしながら自販機で水をかってきてくれた。



水を飲み、2人してタバコに火をつけ、顔を見合わしてまたゲラゲラ笑いだした。


『あーっ、こんなに笑ったの久し振り、なーんであんな事になっちゃったんだろう』


『警察とか面倒だし、あいつら地元のヤクザとか呼びそうじゃねぇ?どっちにしろ面倒くせぇよ、あーっ…しっかし笑ったなー』



『…』



『…』



『…きれいだね…』


『あ?あぁ…』




自然だった…



何故、自然に…



お互いになんの違和感もなかった。




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