ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
…しかし、とんでもねぇデカだな…


健に張り付いて絵書いてたのは、あのじじぃか…?



夜、和人さんが迎えにきた。


『ぶん太、下にいんぞー』



野口も連れて下りて行く。

弥生には内緒にしといた。
余計な心配をするし和人さんと連むのを好まない。


この仕事が元はと言えば和人さんのおかげなのも分かっているのでギリギリなにも言わないだけ…



『和人さん、いつのまにベンツ買い換えたんすか?』


『おぉ!先月な』


『景気いいっすね』

『そこそこな!』


運転手付きで栄町まで。


木更津から高速を使って40分程度でついた。


ソープやらなにやらの風俗店が軒を連ねている一角にクルーズはあった。



和人さんの兄弟分の人はまだ来ていないようだ。


ぼくらは隅っこにあるテーブルに3人で座る。


想像しているより広い店だ。

奥にはビリヤードの台が2台置いてある。



何人か客はいるが、噂通りの、うさん臭い連中だ。


とりあえずバーボンを頼んだ。


店員はぼくらを見てどこかの事務所の連中だと、悟っているようだ。


もっとも、本職は和人さんだけだが…



入り口のドアが空き1人の男が入ってきた。
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