ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
『高島、おめぇーあんなにネタ引っ張ってどうしようとしてたんだよ?』

『…だから、知らなかったんすよ、バイクの人が来たら、これ渡して、渡された物受け取ってくれって』

『…』

『そしたら、その喫茶店に預けといてくれって…片言の日本語で…あとで1万くれるっていうし…本当っすよ』『…』
『なんなら小便でも血でも、調べてイイッスよ!』

『おめぇが食ってねぇー事くれぇ、目ぇみりゃわかるよ、拘留、明日できれんな…』
刑事は鼻で笑いながら取り調べ室から出ていった。


ぼくは翌日釈放された。
不起訴になったのだ。

ぼくは、この時は気が着かなかった。
今回パクられた事が警告だった事を…


木更津署を出たのは昼過ぎ。

ぼくはすぐ弥生に電話した。

『もしもーし!』
『…悪かったな弥生、飯でもくわねぇーか?』

弥生を迎えに行き、ミンクに行った。

『いらっし…ぶんちゃーん!出て来れたのーよかったねぇー』
『ママ、心配掛けて悪かったね』

空かさず弥生が言う。
『誰も心配なんかしてねぇーよ!懲役でも行っちまえばよかったのに』

弁護士を頼んでくれたのはママと弥生だった。
先ずは弁護士費用をママに返す。
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