ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
末端の打ち子達はぼくの顔を知らない方が悪さをできない。
種銭を使い込んだり、出した玉を誤魔化したり。
顔が解らない方が、いつ、何処から見られているのか解らない、という感覚になる。


ミンクに2時間位居ただろうか。

弥生をマンションに送ってから、海にでも行ってみようかな…
そう思っていた時。

『ぶん太、久しぶりに鴨川の方でも行ってみたいなぁー』

この女の透視能力には頭が下がる…

すでに弥生のマンションの近くまで来ていたが、通り過ぎ、房総スカイライン方面へ向かった。

考えてみれば弥生と二人きりでドライブなんか行った事は無いかもしれない。

いつでも他の仲間が1人や2人は一緒だ。


小さい頃から兄妹みたいにしてきた、それだけに今、2人でドライブとは…
何を喋って良いのか…
わからない…

木更津から鴨川は房総スカイラインを通り1時間程度で着く。

結局なにも会話が無いまま、着く10分位前だろうか…

『鴨川の女子高生の制服って、可愛くねぇ?』

それだけだった。
弥生は外を見てるだけ。

ただ、黙っていた。

鴨川に着き、適当な場所に座る。

『ちょっとなんか飲み物買ってくるよ』
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