ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
結局弥生の部屋で寝てしまった。

ソファーで。

ぼくは弥生が酔っぱらって来た時はベットに寝かしてやったが…

コイツはぼくを客とは思って無い。

中々寝つけない…
勝手にビールを冷蔵庫から出す。

弥生はシャワーを浴びているらしい。

風呂場から音がする、そしてシルエットが。
テレビをつけ、深夜のバラエティー番組を見ながら、ビールをグビグビ。

弥生が風呂場から出てきて、冷蔵庫を覗きながら…

『ぶん太、チーズあるよ!食う?』

振り向くとバスタオルを1枚巻いただけの弥生が冷蔵庫の中を見ている。

ぼくはとっさに前を向いた。

目のやり場に困る。

更に、チーズを持って来て目の前のソファーに座る。

『…お前…一応女なんだから…足!』

『ん?』

『だから…足!膝を閉じろっつうの!』

『あー姫様が見えちゃうって?』

足を閉じながら弥生は言う。

『今更…小さい頃何回も一緒にお風呂入った事あんじゃん』

この日、ぼくは弥生の姫様が目に焼き付き、眠れなかった…

別に…
初めて見た訳じゃあるまいし…


ぼくは朝明るくなり始める頃、弥生の部屋を出た。

朝焼けの中、海まで飛ばして行く。
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