ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
ぼくは新幹線で大阪に向かっていた。

背広を着て如何にもサラリーマン風。

弥生からメールが来た。
電話くれー!
って書いてある。

直ぐに電話した。

『ぶん太ー!大ニュースだよ!』

『…』

『さつきが店、今月一杯で辞めるんだって、んでね、何で急にーってママと聞いてみたらさー!』

『…』

『結婚するんだって!しかも子供出来たんだってー!ママと3人でおめでとー!みたいな』

『…』

『しかも、相手はぶん太も知ってる人だよ…ねぇ?聞いてる?あっもしかして、すでに知ってたとか?』

相手は健だった。
ぼくはびっくりで思わず弥生からの電話を切ってしまった。

先に言ってくれれば良かったのに…と同時に健らしいな…とも思った。

恐らく、照れ臭く、しかしカタギの仕事にも就こうとしている。

ガキの頃から面倒を見てきたが、ぼくは健の事が自分の事の用に嬉しかったのだ。


…しかし、いつの間にさつきと付き合っていたのか…
弥生も全然解らなかったらしい。

『あー…アタシも早く結婚したいなぁー!』
こんな事も弥生は言っていた…


大阪に着いた。

とりあえず、飯だ。
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