ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
はじめての孤独
《ぶん太?ぶーんー太ぁー?》
《ん?あぁ!何時?》
《もう起きないと…遅刻するぞ!》
弥生がキスをして来た!!


ぼくは飛び起きた…

夢だった…


また、仕事をしないでふらふらしている毎日を過ごしていた。
今は、一緒にシノギをする仲間もいない。
偽装カードの仕事は外道の部類だった。

他人のクレジットカードをスキミングして作るカード。
それで買い物をして換金する…外道だ…
だけど、まともな仕事もできない、そんな育ち方もしていない。

あの夢は何だったのか?

サラリーマンだった…

しかも弥生に起こされていた…

明日はクリスマスイブだ。

久しぶりに健に電話する。

だが3回程コールして切った。
特別用も無かったのだ。
全員でミンクで飲み、解散した時から3ヶ月位は起つ。

全員に手切れ金を配り、正直金は無い。
ダンヒルやビィトンのバッグ、ロレックスの時計、ネックレス…

質屋の常連になるくらい、それで食い繋いでいたのだ。

健から折り返しの電話が鳴った。

『おぉーワリィワリィ~間違えちゃってよ、でも久しぶりだな、どうだよ?かぁちゃん順調か?他の連中は?みんな上手くやってっか?』

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