ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
『仕事ついたんすけど…直ぐ辞めちぇってる奴もいますよ、あと本職になっちゃった
奴も2人います』

『そっか…なんとか食っていけるようになっと良いけどな…もともと半端者の集まり
だったかんな…』

『ぶん太さん…元気なんすか?今何で食ってるんすか?』

『あ?あぁー適当にな、何とかやってるよ』

電話の向こうでさつきが『ねぇぶん太さん?ぶん太さん?代わってよ』
とか言ってたが健は代わらなかった。
頭のいい奴だ、ぼくがどことなく元気が無い事を悟ったのかも知れない。

何にもやる気が起きない…

真面目に堅気の仕事も探す気は無い…

最近、海にも行かなくなった…

これで良いのか…

考えている内に眠ってしまった…


気が付くと布団がかかっている
そうだ、ソファーでいつの間にか寝ちゃったんだ。

何か物音がする。
バスルームだ。

シルエットの体型が男では無いことは確実だった。

同時に、こんな夜中に勝手に入って来て、勝手にシャワーを浴びる女は1人しか知らない。

『あっ ぶん…起きてたの?アタシも今店上がって着替えとってから来たとこ』

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