ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
やっと上まで上がって来た。

2人でお賽銭をなげガランガランとやり手を合わせる。


『今年こそなんか一発当ててBigになってやる!な~んてお祈りしちゃったんじゃないでしょうねぇ?』

『…』

部屋に戻り朝方まで酒を飲みながら弥生と人生ゲームをやった。

…何回やっても弥生が大富豪になるがぼくは借金だらけになっていた。

その時には幸子と呼んでいた…



ぼくは初日の出を見に久しぶりに海に出掛けた。
弥生はすっかり寝てしまったので置いて来てしまった。


丁度今から日が出るというグッドタイミング。
しかも快晴。

ぼくは初日の出を見ながら今年はなんか良い年になるのでは…意味も無く考えている自分がいる。


所持金は430円しかない、こんな状態なのに…


30分位経っただろうか干渉に浸るには寒すぎる。

直ぐに車に戻り、そして部屋に帰って爆睡。

元旦早々ソファーは嫌なのでクローゼットに唯一ある、お客様用の布団で寝た。


外が暗くなり始めた頃、キッチンからいい匂いがしてきて目が覚める。

弥生が雑煮を作っていた。
ミンクのママの実家からの餅をお裾分けしてもらったらしい。


なんて正月っぽいんだ…
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