ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
正月明けからもう1週間が過ぎた。

ぼくは和人さんの所へ行ってみる事にした。
自分から行くのは初めてではないだろうか…


『明けましておめでとうございます』

『おめでとう!丁度生きてんのか死んでんのか確かめんのに電話しようかと思ってたとこだよ』

『…カスカス生きてますよ』

『ぶんちゃん今なにやってんの?』

姉さんに聞かれる。
『何もやんねえでブラブラしてます、今年になってから弥生に借金して食ってるくれぇで…』

『あれだけ景気よかったのに弥生に借金!ぶん太も落ちたなっ』

言われながら酒をつがれる

『運び屋でもやっか?』

『まさか、そっちは無理っす』

『ハハハッ!冗談に決まってんだろ、俺も今は全く手引いてるよ』

元々シャブさえやらなきゃいいヤクザな人だ。

…いいヤクザ
そんな人いるのか…ヤクザはヤクザだよな…

そう思ってたが…
『ほらお年玉だよ、取っとけ!』

30万位だろうか、封筒に入っている。

『昔随分シノギからハネてたんだからいいんじゃない、貰っときな』

姉さんが言う。

正直苦しいのでぼくは有り難く頂きスーツの内ポケットにしまう。

弥生に借りた10万も返そう…

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