ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
『お前にもねぇーだろう』


『う~ん…無いのかなぁ…』


ハンバーガーを食べながら弥生は黙ってしまった。


昨日、何故連絡が取れなかったのか?の話になったがトイレに携帯落としちゃって…で片付ける。



留置場。


健が奥にあるぶ厚い鉄の扉から出て来た。


いきなり頭を下げ誤り始めた。

『ぶん太さん…仕事に穴、空けちまってすんません…』


『おぉ、正直お前がいなくてまいってんよ…でもやっちまった事はしゃーねぇわな』


『健ちゃん…ママも心配してる…それにさつきがあんな事になってから落ち込んじゃって…』


『そうっすか…みんなに迷惑かけてんですね…』


『健、幸い命まで穫った訳じゃねぇじゃん、懲役っつう事はねぇだろう、相手の傷だって深くはなかったみてぇだしよ』

『…すんません』


『うん…仕事だけど心配すんな…貸し出しだけ幅縮小していけば1人でなんとかなんよ』


『俺の後輩に1人使える奴いるんすよ、もし大変だったら使ってください』


その居場所を聞いといた。

正直1人では周りきれない程客は増えつつあったのだ。


『あと、こないだの関西人、生意気な』
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