ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
『あっどうなりました?あん時も、俺迷惑かけちゃって…』

ぼくは相手が大きな組織のグループだった事を話した。

詳しくは留置場だし弥生もいたので話すのは出てからって事を説明したあたりだったか…


『そろそろ時間になりますよ』


看守に言われる。


『また、来っからよ』


健は最後も頭を下げていた。


『ねぇ、墓参りしていこうよ』


ぼくたちはさつきの墓に手を合わせに行った。


『あっ、ママの車だ』


お寺の駐車場にミンクのママの車があった。


『あらぁ、珍しい2人でどうしたのー』

『面会に行ってきたとこ、さすがに落ち込んでたよ…』


『そっか…でも本当は今頃赤ちゃん抱いてただろうにね…』

『この後ママどっか行くの?飯でも食いに行こうよ、弥生も良いだろ?』


『あたしは別に暇だけど、ママ店は?』

『お邪魔だから遠慮しときます、アタシも今からデートなんですよ!』


『あっそ!』


そう言ってママは立ち去って行った。


さつきの墓。
まだ日も浅い事もあり、花やお供え物、線香などが大量だった。


ぼくたちは天国で子育てしているさつきを思い手を合わせたのだ。
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