200年後も、ずっとキミを。


本を読み進めていくウチに、涙は止まらなかった。



“ねえ、見ていますか?

海斗がこの本を手にとっているとき、私は死んでいます。”



“でも、心はいつでもそばにいたいと願っているよ”




“ねえ、海斗。もし、200年後の未来に私の生まれ変わりがいたら、また恋をするのかな?
わからないけど・・・”




涙で前がみえなかった。



一生懸命にぬぐって、続きを読んだ。



“わからないけど、朝陽はたぶん、恋をする。

なんたって、200年越しの思いなんだから――・・・”




ゴツンと、懐かしい痛みが身体に走る。



そう、これは200年ぶりの痛み。



・・・・朝陽がよくぶつかったときの痛み。


が、朝陽なワケがない。



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