200年後も、ずっとキミを。

涙を流しながら訴える水野さんの姿を、許さないワケにはいかなくて・・・。




「・・どうして、こんなコトやったの?水野。」



泰樹が優しく言う。



海斗は、フェンスにもたれかかって音楽を聴いている。



「・・・ごめんな・・さ・・。私、あの・・・、泰樹くんが、す・・・スキで・・ひっく・・、」




「お・俺!?」



真っ赤になった泰樹の顔がおかしかったのが、心に残っている。


「それで、なんでこんなコトを?」



知冬が構わず聞いた。


「・・・泰樹くんと、テスト前にやる勉強が・・、バスケさえやんなきゃ、いつもできると・・おもって・・・・、ご・ごめんなさいっ!!」





―このとき、私の心の中は、ハテナでいっぱいだった。

人を好きになったら、そういう感情が出てくるのか?

嫉妬・妬み・ヤキモチ。


そういう気持ちがわからない、私の頭では理解不能な感情だった。



「理由は、わかったよ。でもね、水野の気持ちには答えられないし、勉強も毎日やるつもりないから。ゴメンね。」



よしよし、と頭をなでる泰樹の口からでた言葉が、まるで遠回しに水野さんを突き放しているみたいで、怖かった。


< 26 / 137 >

この作品をシェア

pagetop