メモリップ
明日の自分は、新しい顔に出逢えるだろう。


後輩にまで、だらしない所を もう見せる訳にはいかない。


いつまでも不潔な唇でいる私を、彼は望んでいるだろうか。


きっと、そうじゃないはずだ。


彼のためにも綺麗になって、安心させなきゃ。


そして自分のためには前を向いて、新しい人を見つけるんだ……


こんな唇のままでは、誰も彼女にしたくないだろうに。新しい恋人さえも作れない。


瞳を閉じて、香織は そんな事を念じていた。


だが、その時だった。
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