メモリップ
「ん……?」
鏡に写る香織の背後に、人の顔が見える。
誰かいる……?でも、私はこの部屋に一人暮らしで………
それは香織にとって見覚えのある、男の人の顔だった。
「香織……おいで、おいでよ……」
「キ、キャアアァァ!!」
黒い煙のような物が、香織の全身を包み込む。
「他の人の所になんて、行かないで……」
「キャアァァ!」
「僕の所へ来れば、また いくらでも、キスしてあげる。だから おいで……香織…」