希望のあしたへ
「だけどほんと陽菜が手術を受けてくれるって言ってくれてよかったわ、亨君ありがとね。でも一体陽菜になんて言ったの?」

陽子の問いかけに思わず言葉に詰まってしまった亨であったが、理由を聞かれてしまったため大変言いにくそうに応える亨。

「実はあいつに手術が無事に成功したら結婚してほしいって言われまして、結婚を約束してくれたら手術をしても良いと」

「あの子そんな事言ったの?」

「もちろん本気で言った事ではないとわかっていました、あいつも冗談だと言っていたので。でも僕はそんな陽菜の言葉にOKの返事をしました」

「それって結婚の約束をしたって事?」

あまりに突然の亨の発言に驚きを隠せない様子の陽子。

「はい、僕もあいつの事そんな気持ちで見ていました。もちろんこれから大変な事がいろいろあると思います、それを含めたうえでのこの返事です」

「ありがとう。あの子の病気が発覚してからと言うものまさかあの子が結婚できる日が来るなんて思ってもみなかったわ」

「何言っているんですか、喜ぶのはまだ早いですよ、手術は明日なんですから」

「そうね、明日の手術が終わるまで何が起こるか分からないものね。気を引き締めて行かないと」
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