希望のあしたへ
「申し訳ついでと言ってはなんですがここで皆さんにお願いがあります。僕の大切な幼なじみが今命を懸けた大手術に挑んでいます。僕はもし手術が成功したら彼女と結婚したいと考えています」
突然の翔の告白に会場からは大きなどよめきが巻き起こった。
「お願いです。本来ならここで最後に一曲披露する所ですがこのまま彼女のもとまで行かせて下さい。もちろん仕事を放棄する事はプロとして失格なのは十分わかっています。それでも少しでも彼女のもとにいてやりたいんです、お願いします」
そして再び深々と頭を下げる翔。翔の願いに会場は一瞬静寂に包まれ、次の瞬間満員の観客からは拍手が巻き起こった。すると会場からは翔の励みになる様々な声が飛び交ってきた。
『良いから行ってやれ』
『行ってあげて、その子の事好きなんでしょ』
『何やっているんだ、良いから行けって』
『早く行ってあげて』
そんな観客たちの言葉に亨は深々と一礼するとその場を走り去っていった。衣装のまま会場地下の通用口に向かった亨の視線の先には、マネージャーの武田が出入り口付近に車を付け待機していた。
「武田さんどうしてここに?」
「病院まで送って行きます」
「何言っているんですかいいですよ、武田さんまで社長に怒られるでしょ」
「こんな事までした人が何言っているんですか、怒られるときはあたしも一緒です。さあ乗ってください!」
「ありがとう武田さん」
その後すぐに亨がステージ衣装のまま車に乗り込むと武田は車を発進させた。
突然の翔の告白に会場からは大きなどよめきが巻き起こった。
「お願いです。本来ならここで最後に一曲披露する所ですがこのまま彼女のもとまで行かせて下さい。もちろん仕事を放棄する事はプロとして失格なのは十分わかっています。それでも少しでも彼女のもとにいてやりたいんです、お願いします」
そして再び深々と頭を下げる翔。翔の願いに会場は一瞬静寂に包まれ、次の瞬間満員の観客からは拍手が巻き起こった。すると会場からは翔の励みになる様々な声が飛び交ってきた。
『良いから行ってやれ』
『行ってあげて、その子の事好きなんでしょ』
『何やっているんだ、良いから行けって』
『早く行ってあげて』
そんな観客たちの言葉に亨は深々と一礼するとその場を走り去っていった。衣装のまま会場地下の通用口に向かった亨の視線の先には、マネージャーの武田が出入り口付近に車を付け待機していた。
「武田さんどうしてここに?」
「病院まで送って行きます」
「何言っているんですかいいですよ、武田さんまで社長に怒られるでしょ」
「こんな事までした人が何言っているんですか、怒られるときはあたしも一緒です。さあ乗ってください!」
「ありがとう武田さん」
その後すぐに亨がステージ衣装のまま車に乗り込むと武田は車を発進させた。