希望のあしたへ
「それほどでもありません。まだまだですよ」

「またそんな事言っちゃって、ところで君は陽菜がもし手術に成功したら陽菜と結婚するって言ったそうだがそれは本気か」

「はい本気です! さっき大観衆の前で宣言してしまいました。すみません勝手に」

「それは良いんだが、君は陽菜がどういう病気か分かって言っているのか? もし手術に成功したとしても病気が完全に治るとは限らないんだぞ。それに将来子供だって産めるか分からない、そんな娘と結婚して後悔しないのか?」

「どうして後悔する必要があるんです、僕は彼女の事が好きでいつまでも彼女といたい、だから結婚したいと言ったんです」

「でもさっきも言ったが子供が産めるか分からないんだぞ!」

「そんなことくらいで陽菜と結婚しない理由になりますか? 良いじゃないですか子供が産めないくらい、二人で仲良く暮らしていければそれでいいんです」

「そうか、そこまでの覚悟があるならもう何も言わない。娘の手術は絶対に成功する、そしたら娘の事をよろしく頼むな?」

「ありがとうございます! 後日改めてご挨拶に伺いたいと思っています」

この時亨は陽菜の両親に深々と頭を下げていた。どの位の時間がたっただろうか、亨たちのもとに手術の終了を知らせる看護師がやって来た。
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