希望のあしたへ
「なんなのよ、何か知っているような言いぐさね」

「亨兄ちゃんね、今この病院にいまぁす」

陽菜のおどけた様子で言うその言葉に陽子は驚いてしまった。

「どういう事?」

「ママ歌手の翔って知っている?」

「なんなのよ突然翔の話になって、もちろんよ、あんな大スターママでも知っているわ。その翔がなんなの?」

「その翔が今足を骨折してこの病院に入院していてね、なんとその翔が亨兄ちゃんだったの。ねぇびっくりでしょ」

「ほんとなのそれ、あの大スターの翔が亨君だったの? 確かにどことなく見覚えある顔していると思っていたのよねぇ。でもまじまじと顔を見たことなかったから気付かなかった」

「なんだママもそう思っていたんだ、あたしも初めて会ったときはビックリしちゃった。それでね、由佳に車いす押してもらって何度か亨兄ちゃんの病室に行ったんだ。すごいイケメンになっていたよ、そりゃそうよね、あんな大スターになるくらいだから。そうだ今日は由佳来られないみたいだからママが亨兄ちゃんの所に連れて行ってよ」

「そうね、成長した亨君に会うのも久し振りだしどんなイケメンになっているか見てあげようかな? テレビを通しての亨君しか見た事ないしね。ママも亨君に会うの楽しみだな?」
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