希望のあしたへ
そんな亨の問いかけに陽菜は疑問の表情で応える。

「そうなの、パパたちが大部屋だとプライバシーが無くなってしまうからってわざわざ個室にしてくれたの。だから余計にお金かかるのよ、なんだかパパたちに申し訳なくて」

「そんな風に思うことないのよ、ママたちはあなたのことが何よりも大切なんだからあなたのためならなんだってするわ。あなたはママたちの大事な一人娘なんだから」

陽子の嬉しい言葉に瞳を潤ませる陽菜。

「ありがとうママ。いつも感謝しているわ」

するとここで亨が一つの案を示した。

「そうだったんだな? だったら一応病室にプリンターを置けるか聞いてみてくれ、陽菜の病室が個室ならもしかしたらオーケーが出るかもしれない、その場合は俺がプリンターを買ってやる。その代わり安いので我慢してくれな」

亨の言葉に隣で聞いていた陽子が申し訳なさそうに遠慮の言葉を口にする。

「そんな買って頂かなくて結構よ、なんだか申し訳ないわ」

「いや良いんですよおばさん。プリンターと言っても最近は安いものなら五千円くらいで売っていますから」

「だったら余計遠慮するわ、そのくらいで買えるならうちで買いますから」

「良いんですって、僕に買わせてください」

「ありがとうね亨君」
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