希望のあしたへ
陽菜は一つ気になっていたことを亨に尋ねる。

「でももしプリンターを病室に置くのがダメだったら?」

「その時はメモリーカードにデータを落としてくれ! そうしてくれればうちのプリンターで印刷してきてやる」

「そこまでしてくれなくて良いわよ、そんなに迷惑かけられないわ」

そう遠慮の声を発するのは陽菜であった。

「良いんだよ気にしなくて」

亨は更に続ける。

「何れにしてもとにかく何か書いてみたらどうだ? 何か書いてみない事には始まらないだろ、取り敢えずマネージャーに連絡してみるよ」

「うん、ありがとう亨兄ちゃん。そう言えばさっきパソコン持ってないか聞いたとき本当に聞きたかったのはなんだったの?」

「ああそれな、デジタルオーディオあげただろ? もし電池が無くなった時パソコンを持っていればパソコンから充電できるし曲を入れたい時にはパソコンからダウンロードできるんだけど、ずっと入院生活をしているって聞いたから持ってないと思って。ここは病院だからダウンロードは無理じゃないかっていうのは分かるんだけど電池が無くなる度に俺が代わりに充電してあげる訳にいかないだろ? その間陽菜は使えなくなるしな。だから病室のコンセントから充電できるように充電器も入っているから充電したいときはそれを使ってくれ」

「ありがとう亨兄ちゃん」
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