希望のあしたへ
【第四章】『ナースストップ』
自分の病室に帰った二人。すると陽子が驚きをもって陽菜に語り掛ける。

「ビックリした、まさかほんとに翔の正体が亨君だったなんてね」

「あたしも驚いたわよ」

陽菜も同調するとそんな陽菜にある事を提案する陽子。

「ねえ陽菜、あなた今までラジオで翔の声を楽しむだけで我慢していたけど、翔の正体が亨君だったって分かったんだからせめて亨君の出ているテレビだけでも見ても良いのよ。ママテレビカード買って来てあげるから」 

そんな陽子の提案に陽菜の気持ちが変わる事となる。

「そうね、亨兄ちゃんが出ている番組だけでも見ようかな、ママ今度テレビカード買ってきてくれる?」

「もちろんよ、今度買って来てあげるわね」

「お願いママ、まだ亨兄ちゃん入院中だからあまり急がなくて良いわよ」

「分かったわ」

「ねえママ、亨兄ちゃんに貰ったデジタルオーディオさっそく聞いてみていいかな?」

「良いんじゃない? せっかく頂いたんだから聞いてみれば」

陽子の了解を得た陽菜はさっそく翔からもらったデジタルオーディオを取出し、イヤホンを耳にはめるとそっと再生ボタンを押した。

すると陽菜の耳元にはバラード調の優しい音色が届いた。
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