希望のあしたへ
この曲は翔の歌う曲の中でも特に人気のある曲であり、陽菜にとっても最も好きな曲の一つでもあった。
陽菜が翔の曲に浸っていると、母親の陽子は陽菜に声をかけた。
「陽菜、ママそろそろ帰るわね、嬉しいからってそればかり聞いてないで早く寝るのよ。少しは体を休めないと……」
当然のごとく翔の歌に夢中になっている陽菜にその声が届く事は無く、仕方なくこの日はそのまま帰ることにした陽子。
その後も陽菜の耳元にはアップテンポな曲からスローな曲まで様々な曲が流れ、それが一通り終わるとまた最初から再生し、それを何度もリピートしながら翔の歌に酔いしれていた。
その後夕食をはさむと再び翔の音楽を聴き、この日はそのまま眠りについてしまい翌朝目を覚ますと、いつしかプレーヤーから流れる音は止まっていた。
どうやら陽菜は無意識のうちにデジタルオーディオのスイッチを切ってしまったようだ。
その後しばらくすると陽菜の担当看護師である矢嶋がやって来た。
「おはよう陽菜ちゃん、どうぐっすり眠れた?」
「あっ千夏ちゃんおはよう。良く眠れたよ」
「そうそれはよかった。今日の調子はどう、どこか具合悪い所は無い?」
「大丈夫だよ千夏ちゃん。元気満タン、どこも悪くないって」
「じゃあ体温計ってみようか」
「どこも悪くないのになぁ」
この様に小さな声で呟く陽菜はどこか不満そうだった。
「分かっているでしょ、いつもの決まりなの」
「ねえねえそれより千夏ちゃんこれ見てよ」
そう言うと亨からもらったデジタルオーディオを嬉しそうに見せびらかす陽菜。
陽菜が翔の曲に浸っていると、母親の陽子は陽菜に声をかけた。
「陽菜、ママそろそろ帰るわね、嬉しいからってそればかり聞いてないで早く寝るのよ。少しは体を休めないと……」
当然のごとく翔の歌に夢中になっている陽菜にその声が届く事は無く、仕方なくこの日はそのまま帰ることにした陽子。
その後も陽菜の耳元にはアップテンポな曲からスローな曲まで様々な曲が流れ、それが一通り終わるとまた最初から再生し、それを何度もリピートしながら翔の歌に酔いしれていた。
その後夕食をはさむと再び翔の音楽を聴き、この日はそのまま眠りについてしまい翌朝目を覚ますと、いつしかプレーヤーから流れる音は止まっていた。
どうやら陽菜は無意識のうちにデジタルオーディオのスイッチを切ってしまったようだ。
その後しばらくすると陽菜の担当看護師である矢嶋がやって来た。
「おはよう陽菜ちゃん、どうぐっすり眠れた?」
「あっ千夏ちゃんおはよう。良く眠れたよ」
「そうそれはよかった。今日の調子はどう、どこか具合悪い所は無い?」
「大丈夫だよ千夏ちゃん。元気満タン、どこも悪くないって」
「じゃあ体温計ってみようか」
「どこも悪くないのになぁ」
この様に小さな声で呟く陽菜はどこか不満そうだった。
「分かっているでしょ、いつもの決まりなの」
「ねえねえそれより千夏ちゃんこれ見てよ」
そう言うと亨からもらったデジタルオーディオを嬉しそうに見せびらかす陽菜。