希望のあしたへ
「何それ陽菜、良いじゃないどうしたの?」

「あぁこれ? デジタルオーディオ。昨日亨兄ちゃんにもらったの」

(確かにそんな事言っていたな、ほんとにくれたんだ。なんだかあの翔と幼馴染なんて羨ましいな?)

「そう言えばそんな事言っていたわね、翔さんほんとにくれたんだぁ。これ結構高いんじゃない?」

「やっぱりそうかな?」

「そうよ、ちゃんとしたメーカー品だしその辺の安物じゃないと思うよ」

「亨兄ちゃんは安物と言っていたけどやっぱりそうよね」

「そうに違いないわ、きっと結構値の張るものよ」

「それにそのままくれたんじゃないのよ、ちゃんと翔の曲を何曲も入れてくれてすぐ聞けるようにフル充電した状態であたしにくれたの。電池が無くなってもコンセントから充電できるようにアダプターまでくれたんだから」

「そうなんだぁ、やさしいんだね翔って」

「そうだね、あたしもびっくりしちゃった、ここまでしてくれるなんてね。実はそれだけじゃないの」

「なに、まだ何かあるの?」

「昨日ママに車椅子押してもらって亨兄ちゃんの所に連れて行ってもらったんだけど、そのときパソコンが欲しいって話になってね」

「それって陽菜がパソコンを欲しいって事?」

「そうなの、ちょっと訳があってね」
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