希望のあしたへ
「それでパソコンが欲しいって話になったのね」

「そうなの。でもさすがにパソコンてなると高いでしょ?」

「そうね、一万や二万で買える代物じゃないものね」

「ママは買ってくれるとは言ったけどあたしが我慢するからいいって断ったのよ」

「確かにパソコンなんて安い買い物じゃないものね。だけど最近は安いものも結構あるわよ、確かに性能は落ちるけどね。それでも数万円はするわ」

「そうなのよ、でもただでさえ治療費で大変なのにあたしのわがままでそんなもの買ってもらうわけにはいかないわ」

「確かにそうかもね、でも良いじゃないたまにはわがまま言っても。あなたいつも我慢しているから」

「そんな訳にいかないわよ、こんな病気になってしまったあたしが悪いんだから……」

「またそれを言う、誰が悪いって事でもないってこの前も言ったでしょ! それでパソコンはどうすることにしたのよ」

「それなんだけどね、亨兄ちゃんが買い替えたばかりで古いのがあるからくれるって言ってくれたの、それもまだ三年くらいしか使ってないそうよ」

その言葉に由佳は再び驚きの声をあげる。
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