希望のあしたへ
「昨日ママがいないときに一度来てくれたんですって、それであなたの発作の事を聞いたら心配でたまらなかったみたいよ。その後今朝早くにも来てくれたの」

「そう、なんか悪い事しちゃったかな?」

「仕方ないわよ病気なんだもの、ママからも言っておいたけどあなたからも今度お礼を言っておきなさい。でも明日も亨君来てくれるとは言っていたけどあなた明日もう一日ゆっくりした方が良いわね、お礼を言うのは今度にしなさい」

「えぇっせっかくだから会いたいなぁ、ねえダメ?」

「仕方ないわね、もし明日亨君が来てくれても少しだけよ」

「ありがとうママ」

ふと気付くと陽菜の視線の先に黒く四角い物体があることに気付いた。

「ママ何これ、ほんとに亨兄ちゃんがくれたのね」

「ええそうよ、あなたの欲しがっていたパソコン。マネージャーさんが持って来てくれたからってさっきママが亨君の病室に行って受け取って来たの」

「ありがとうママ」

「何言っているの、あなたがお礼を言う相手はママじゃないでしょ、そういう事は亨君に言わないと」

「そうだったね」

そう返事をすると朗らかな笑みを浮かべる陽菜。

「さっ分かったら今日の所はゆっくり休みなさい」

「はい、おやすみなさいママ」

「おやすみ陽菜」

その後陽菜が眠りについたのを確認すると病院を後にする陽子。
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