希望のあしたへ
翌日急いで朝食を済ませた亨が、待ちきれないとばかりにすぐさま陽菜のもとに向かった。

その後陽菜の病室の前にたどり着くと、そのドアにはもう面会謝絶の札はかけられていなかったためほっと一安心する亨。

ドアの前に立った亨は自分自身を落ち着かせるようにしてドアをノックする。

「はいどうぞ!」

その声にゆっくりとドアを開け中に入る亨。

「亨兄ちゃんおはよう、どうしたのこんなに朝早く」

「ちょっと陽菜が体調崩したって言うから心配でな?」

「それでこんなに朝早く来てくれたの? ありがとう。それに昨日も一昨日も来てくれたんだって? 何度も来てくれたのに会えなくてごめんなさい、ほんとにありがとね。心配かけてしまってごめんなさい、もう大丈夫だから安心して。それとこれもありがとう。大切に使わせてもらうね」

その言葉と共にパソコンを指さす陽菜。

亨はそんな言葉に一安心し、ほっと胸をなでおろす。

「そんな事はどうでも良いんだよ、お前が無事でさえいてくれれば。だからそんなに謝らなくて良いんだよ、病気なんだから仕方ないだろ。なにもすき好んで具合悪くなる奴なんていないんだから。それよりもう大丈夫なのか?」

「うん、昨日の夜に良くなって夕べはぐっすり眠ったから大丈夫!」

「なんだ良くなったばっかりじゃねえか、俺はもう帰るから今日はゆっくり休んでいろ」

「えぇっもう帰っちゃうの? お願いだからもっといてよ」

「俺はお前が無事な事が分かればそれで良いんだ! お前は良くなったばっかなんだからもう一日ゆっくりしてろ、明日また来てやるから。分かったな?」

「はあい。ほんとにもう大丈夫なのになぁ?」
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