希望のあしたへ
数日後の日曜日、この日もいつもの様に陽菜のもとに向かう亨。

「いらっしゃい亨兄ちゃん」

「どうだ具合の方は」

「絶好調だよ」

「そうかそれならよかった。実は今日は話があって来たんだ」

「なに話って、もしかして退院」

「それはまだなんだが、実は明日から少しずつリハビリを開始する事になった。だから今までの様にここにずっといる訳にいかなくなったんだ。リハビリで松葉杖をつけるようになったら退院して通院をしながらリハビリに通うようになるみたいなんだ」

「そうなんだ、じゃあ退院も近いのね、おめでとう」

寂しそうな表情を浮かべ俯いてしまう陽菜。

「なに言っているんだ陽菜、まだ気が早いよ。これから松葉杖をつけるように練習をするんだから」

「そうだね、ちょっと気が早かったかな?」

「でもありがとう。前にも言ったけど退院しても出来る限り見舞いには来るからな」

その言葉を聞いた途端陽菜は瞳を輝かせていた。

「ありがとう亨兄ちゃん。でも無理しなくていいからね」

「なに言っているんだ、お前はそんな事心配しなくていいんだよ。まったく落ち込んだり元気になったり忙しい奴だな」

そんな事を話しているとそこへ由佳が見舞いにやって来た。
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