希望のあしたへ
「陽菜ちゃん気持ちいい?」

「うんすっごく気持ちいいよ。いつもありがとう千夏ちゃん」

「良いのよ陽菜ちゃんはそんな事言わなくて、これがあたしたちの仕事なんだから」

「でもいつも感謝しているのよ、お礼くらい言わせて」

「それより陽菜ちゃん、最近すごく明るくなったんじゃないの?」

「そう? そんな事ないと思うけどなぁ?」

「そんな事あるよ」

矢島はおもむろに陽菜の耳元に顔を寄せると、亨に聞こえぬよう小声でささやく。

「翔さんのおかげ?」

その言葉に思わず頬を赤らめながら否定の言葉を口にする陽菜。

「何言っているんですか、そんなんじゃないですって」

そう言いながらも頬を真っ赤に染め上げる陽菜。

「どうかなぁ?」

「やだ千夏ちゃんたら、意地悪しないでよ」

「ごめんごめん悪かったわ、ちょっと意地悪し過ぎたかな? じゃあこの話は終わり。ついでにシャンプーも終わったわよ」

「ありがとうございました」

その後矢嶋はカーテンを開けると亨に一声かけた。
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