希望のあしたへ
「なんだ二人知り合いだったの?」

由佳に対し満面の笑みで興奮気味に応える陽菜。

「そうなの、小さいころよく遊んでもらった亨兄ちゃん。昔はあたしたちお隣さん同士だったのよ。でも亨兄ちゃんの家が引っ越してしまってからは会えなくなっちゃったんだよね」

この時由佳はまさかの二人の関係に驚きつつも感心していた。

「陽菜が顔も知らない翔の事を一生懸命応援していたのも分かる気がするなぁ? なんだか不思議な縁ね」

(そう言えば由佳の紹介まだしてなかったわ)

「紹介が遅れたわね、この子あたしの親友の由佳、いつもお見舞いに来てくれるの」

陽菜の紹介に続くように自らも自己紹介をする由佳。

「初めまして草薙由佳と言います。まさか親友の陽菜が翔さんと知り合いだったなんて聞いてすごく驚いています」

「初めまして吉田亨と言います、一応翔としてアイドルやらせてもらっています。僕の方こそこんな所で幼馴染の陽菜と会えるなんて驚いているよ。こちらこそよろしく、これからも陽菜と仲良くしてやってね」

「はい、もちろんです」

陽菜はベッドでの亨の様子や由佳からも聞いていたため大体の予想はついていたものの亨が何故この病院に入院してきたかを訊ねる。

「ところで亨兄ちゃんはどうしてここに入院しているの? なんか骨折したって話は聞いたけど」

「そうなんだ、ちょっとこれ見てくれよ」

亨が足の方を指さすとそこにはギプスで固定され吊られている左足があった。
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