意地悪なきみの隣。



「コイツさ〜ちょーっと、表現力に欠けてるから許してやって?」



隣から高橋くんが中島くんの背中をバシバシと叩く。


痛いから、って頭を叩き返すと高橋くんは黙った。



「お礼、してくれるんなら遠慮なく」



「……っ!も、もちろんだよ!」



むしろそっちの方がありがたい!


自分でもパアッと明るくなったのがわかった。



「放課後」



「ん?」



座って私の腕を掴んだまま上目遣いで私を見る。


わ……なんだか、可愛い。




「今日の放課後、過ごしてくれたらそれすんげーいいお礼になるけど」



すんげーいいお礼……。

喜んでくれるってことかな?



「わかった!放課後ね!じゃあ帰らずにちゃんと待っててね!」



部活がない日、中島くんはいつも帰るのが早いから。

今日はちゃんと待っててくれないとお礼ができない。


部活がないから今日って言ったんだよね?



「お前みたいにバカじゃねーから言われなくても待ってるし」



結局、こんなことを口にする。


でもね中島くんの優しさに少しだけ触れられた気がしたから、今日はもういいやって思っちゃう。





次は許さないからね?







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