意地悪なきみの隣。



「フォーク取ってくる。一緒に食べようぜ」



「あ、フォークなら持ってきた!」



パーティ用のプラスチックのフォークだけど。


だってまさか、大和くんのお家なんて思ってなかったもん。

だから持ってきたんだけど、使い捨てだしせっかくだからね?



「ナイス、じゃあ食べるか」



小さめに作ったホールケーキを切り分けることなく2人で食べることになった。


大和くんがそれがいいって言うから。


切った方が食べやすいのに…なんて思ったけど、まあいいや。



「…ん、うまい」



一口食べると優しく笑う。


その言葉に緊張の糸が切れた。


まずかったらどうしようって思ってたから本当に安心だ。



「よかったぁ」



私も一口食べてみる。


モグモグと噛みながら、



美味しい、なんて自分で褒めてみる。



もっともっと上手になりたいな。



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