意地悪なきみの隣。



はあ…とため息をついて、ようやく諦めたみたい。


私も腕を伸ばすのをやめてテーブルにケーキを置く。


聞きたかったんだよ。

どうしてそんなことしたの?って。



「俺が…お前にキス……したのは…」



部屋は2人だけで、もちろん大和くんしか声を出してないからすごく響く。


いつもの余裕な大和くんはどこへ行ったんだろう。


片膝を立ててすわる大和くんはいつもの大和くんじゃない。




「したのは……」



そう言って勢いよく立ち、ベッドにボフッと音を立てて私に背を向けるようにあぐらをかいて座った。




うん、と心の中でつぶやく。




早く言ってよう!






「紘樹の市倉に対する気持ちと同じだよ」




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