意地悪なきみの隣。



「郁ちゃん、時間大丈夫なの?」



「ん〜…そろそろかなあ?」



時計を見ると知らない間に9時になっていた。



えええ〜、そんなにいた気がしないのに。


もう帰らなきゃいけないのかぁ…。



「じゃあ帰んぞ、送るからコート着ろ」



「……はーい」



しぶしぶコートを着て、もらったプレゼントを手に取る。


行くぞ、と部屋のドアを開けるから大和くんについて部屋を出る。



お父さんに「お邪魔しました」と声をかけて大和くんの家を出た。



すっかり真っ暗になった空。



冷たくなった空気に、思わずマフラーに顔をうずめる。


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