意地悪なきみの隣。



「ありがと、今日は楽しかった」



「うん、俺も。ケーキ、サンキュ」



へへへ。

喜んでくれて良かった。


改めて言われるとすごく照れる。



「大和くんも、プレゼントありがとね!」



「うん、なくすなよ?」



「なくさないよっ」



こんな時まで、ほら。

もう子どもじゃないんだからね!



「じゃあね、ほんとにありがと」



ありがとうは何度言ってもいいよね?


ほんとに楽しかったんだ。



うん、と笑って小さく頷いたのを見て私は家に入ろうとドアの部に手をかけた。










……………………その時。







「……….や、大和くん?」



え…………と、あの……。


ふんわりと柑橘系の香水が近くで香って、耳には大和くんの小さな吐息が当たる。


鼓動が、どんどん速くなる。




私………………抱きしめられてる?




「お前、バカだから簡単な言い方で言ってやる」





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