意地悪なきみの隣。
「好きってことじゃん!なんでわかんないの!」
急に顔をあげ、勢い良く言ったその目は少し涙ぐんでいた。
す…好き?
雪乃先輩が?俺を?
「ねえ…そんなにその子じゃないとダメなの?」
ブレザーを握る手を揺らしてそう訴える。
その子ってのはきっと、郁ちゃんのことだろう。
郁ちゃんのことを先輩は知らない。
けど、俺が誰かを好きなことは知ってる。
「私は…ないのかな?」
切なく笑う先輩に何も言葉が出なくなる。