意地悪なきみの隣。



「あの男誰」



「ま…間宮くん…です」



だんだん小さくなる声がそう言う。



「どういう関係?」



なーにしてんだろ、俺。
彼氏でもねえのに。


でもイライラする。



「中学から同じ…の…男の子…です」



……市倉の野郎。


あいつ、知ってて何も教えてこなかったのかよ。
市倉もこいつと同じ中学なんだから、知ってんのにわざとか。


紘樹の彼女はほんと俺をバカにしてくるのが得意だな。



「俺は?」



「……と、言うと…?わわっ…!」



なかなか俺の顔を見ない彼女の頬を片手で挟み、強制的に俺の方へ向ける。


目を見開いて俺をとらえると、すぐに目線を外される。



「こっち見ろバカ」


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