意地悪なきみの隣。
少し早歩きで数学教室へと足を運ぶ。
寒いお昼休みは、みんな教室にこもっちゃうから廊下には全然人がいない。
数学教室は、角にある。
教室の前に提出ボックスがあるからそこに提出しなくちゃいけない。
「…わっ!」
角を曲がった瞬間、反対方向から来ていた人とぶつかってしまった。
そして思わず持っていたプリントを散らばしてしまった。
「ごめん!……て、西野じゃん」
「……いててて、あ、間宮くん!」
バランスを崩して尻もちをついた私に手を差し伸べたのは間宮くんだった。
「悪い悪い、ぼーっとしてた」
「いや、私こそごめんね…」
差し伸べてくれた手を取り、立ち上がると間宮くんはプリントを拾ってくれた。