意地悪なきみの隣。
いつも私の頭を撫でるんだ。
大きなゴツゴツした男の子の手で。
昔はそんなことなかったのに。
いつの間にか私よりも大人になっていた大和くんは、よく私の頭を撫でる。
嫌じゃないんだ、バカにしながらでも。
「……そか。悪りぃ。俺、行くわ」
ポンっと拾い集めてくれたプリントを私の頭に乗せると間宮くんは行ってしまった。
ごめんなさい、間宮くん。
でも、ありがとう。
ゆっくり立ち上がり、残りのプリントも拾い集めて提出ボックスへと入れた。
大和くんと女の人を見ないように教室への廊下を歩いた。
ニットの袖を伸ばして涙を拭く。
…なに泣いてんだ、私。