意地悪なきみの隣。



だって、それならいつもみたいに話しかけて欲しい。

あれだけ話しかけてくれてたのに、めっきり減っちゃったもん。


大和くん、わけわかんない。



「…郁、もう中島のこと好きなんじゃないの?だって、自分のこと好きって言ったのに違う人といるのが嫌なんて、郁も好きだから嫌なんじゃないの?」



「ど、どうなのかな…」



これだけは本当にわからないところ。
一番難しい、3問目だ。


思い出した言葉がなんだか遠く感じる。


10月考査のテスト勉強の時。
…大和くんが私にキスをした時。




『…………………俺のこと、好き?』




目をつぶる私にそう言ったんだ。


あれからだいぶ経つのに、全然わからないもんなんだなあ。



その時はまだ『中島くん』で、まさかやまとくんだなんて思ってもなかった。


だけど今はやまとくんなわけで。
私の淡い初恋の人。


ドキドキもするし、私にもっと笑ってほしいし、意地悪言ってもいいから近くにいて欲しい人。



「う〜ん…わかんないっ」



考えれば考えるほどグチャグチャになってく。



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