意地悪なきみの隣。
「で、郁は中島に作ったの〜?」
ニヤニヤしながら紙袋の中を覗いてくる。
「ちょっと見ないでよ〜!」
紙袋を後ろにまわして見られないようにする。
それでも陽菜ちゃんはグイグイくる。
すごく、迷った。
作っても受け取ってくれるのかなとか、
まずお話しできるのかなとか。
あのクリスマス以来、ちゃんと話せてないんだもん。
それなのに私から話しかけるなんて、できるのかな。
「作ったけど……」
やっぱり、あげたい。
いつも意地悪だけど優しい大和くんに、いつもありがとうって。
ちゃっかり、入れ物も別で。
「なーんだ、ちゃんと作ってんじゃん!頑張れ郁!」
「うん…」