意地悪なきみの隣。
「まあそれもそうなんだけど、そろそろ返事してやれよ」
「返事…」
何の返事かなんてわかってる。
大和くんが私に言った好きって言葉に対してのだ。
「あのままだとアイツ死んじまうよー。あれはあれでおもしれえけどな」
も、もしかして、大和くんが元気ないのって私が原因?
で…でも、そりゃそうだよね。
告白されたのはクリスマス。
2ヶ月も返事が来ないなんて……悲しいよね。
私、何してるんだろう…。
「カバンに帽子つけてるくらいだろー?頑張れよ西野」
私の机の横にかけてあるリュックについている黒のキャップ帽。
大和くんが動物園行った時にかぶせてきた帽子。
嬉しくて、ずっとつけてるんだ。
この帽子にちゃんとあの『やまとくん』だって書いてある。
大切な物。
「大和くん……いなくなんないでよ〜…」
机にべったりとほっぺたをつけて腕は宙ぶらりん。
隣の隣だった11月はとっくに終わって、もう3回も席替えをした。