意地悪なきみの隣。
「へ〜西野でも課題終わったんだ」
陽菜ちゃんと話してると後ろからそんな声が聞こえてきた。
こんなこと言ってくるのは…
「中島くん…」
中島大和(なかじま やまと)くん。
クラスの男の子。
なんでか、私にはいつもヒドイことばっかり言ってくる。
他の子にはこんなの言わないのに。
「私だって課題くらいできるよっ!」
さすがにバカにしすぎだよ。
もう高校生なんだよ?
それくらいできるもん。
「そういう中島はできたの〜?」
陽菜ちゃんが対抗する。
そうだよ、中島くんだってできてるの?
バスケ部って忙しいんでしょ?
「お前ら、俺をバカにすんなよ?余裕で終わってるっつーの」
Vサインをしてベーッと舌を出してくる。
そうでした…。
中島くんは頭が良いんだった。
5月考査、7月考査といつも対決を挑んでくる。
成績表が返ってくるといつも書かれている順位は一桁だ。
忙しい部活に入っててどこに勉強する時間があるんだろう…。
というか、なんでいつも私と対決してくるの?
成績表が返ってくる前から結果はわかってるのに。
すっごい嫌みだよ…。
「まあ、西野は昔からおっちょこちょいだからな。心配なだけ」
そしてたまに、不思議なことを言う。
ふにゃっと笑いながら。