意地悪なきみの隣。



運良く隣に…なんてことは起きず、今じゃ全然遠い席に。



「い………郁っ……可愛すぎか!」



「これはもう…リアルに時間の問題だな」



「あ〜っ!2人ともやめてよーっ!」



突っ伏す私の頭をぐしゃっと撫でる。
おかげで朝から整えてきた髪はくしゃくしゃ。


もう〜!
起き上がって手ぐしで髪を整える。

時間かかったんだからね!



「とりあえず、ちゃんと渡しなよ。今日しかないんだからね」



さっきとは違って優しく頭を撫でる陽菜ちゃん。
まるでお母さんみたい。


そうだ。
手作りだから何日もとっておくなんてできないんだ。


だから、今日しかないんだよね。



絶対に渡そう。




大和くんの突っ伏す姿を見つめながら、そう決めました。





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