意地悪なきみの隣。



「高校で初めて会ったのに昔からって変でしょ?」



中島くんは高校から同じ。


それなのに、たまーに『昔から』とか『小さい頃』って言葉を使ってくる。


少し変わり者。



「俺は知ってんの。天才だから」



わっ…。


ポンポンと私の頭を撫でて中島くんは席についてしまった。


もう…よくわからない人だなあ。



「ねえ今のどう思う?」



陽菜ちゃんが言う、今のって?



「だからー、頭ポンポンってされたの!」



ポカンとする私に補足説明。

うーん…。


撫でられた頭をそっと触ってみる。



「よくわからない人だなあ…って思う」



そう答えると陽菜ちゃんは一つため息をついた。


だって、バカにしてきたり、私の小さい頃を知ってるみたいに言うし。


わからないよ。



「ほんっと…郁は恋に鈍感だね…」



あきれたように自分の席へと陽菜ちゃんは帰ってしまった。


鈍感………。


鈍感なの?


しかも、恋に?


今のどこに恋が繋がったんだろう?



1人残った私はその言葉の意味を考えた。



< 3 / 214 >

この作品をシェア

pagetop