意地悪なきみの隣。
「高校で初めて会ったのに昔からって変でしょ?」
中島くんは高校から同じ。
それなのに、たまーに『昔から』とか『小さい頃』って言葉を使ってくる。
少し変わり者。
「俺は知ってんの。天才だから」
わっ…。
ポンポンと私の頭を撫でて中島くんは席についてしまった。
もう…よくわからない人だなあ。
「ねえ今のどう思う?」
陽菜ちゃんが言う、今のって?
「だからー、頭ポンポンってされたの!」
ポカンとする私に補足説明。
うーん…。
撫でられた頭をそっと触ってみる。
「よくわからない人だなあ…って思う」
そう答えると陽菜ちゃんは一つため息をついた。
だって、バカにしてきたり、私の小さい頃を知ってるみたいに言うし。
わからないよ。
「ほんっと…郁は恋に鈍感だね…」
あきれたように自分の席へと陽菜ちゃんは帰ってしまった。
鈍感………。
鈍感なの?
しかも、恋に?
今のどこに恋が繋がったんだろう?
1人残った私はその言葉の意味を考えた。