意地悪なきみの隣。




「郁、どーなの?」



「ん?いい感じだよ!私今回いい点数とれるかもしれない!」



明日はついにテスト。

私にとっては戦いだ。

勉強は基本的に苦手だけど、特に数1と現代社会はしっかりやった!


もちろん、中島くんに教わりながら。

中島くんは毎日放課後残ってくれて、理解力のない私に教えてくれた。


何回も何回も、『バカ』とか『低脳』とか言われちゃったけど。



「違う!勉強じゃなくて、中島とはどーなのって!」



陽菜ちゃんは首を横に振って言う。

な、中島くんとって…。



「別に何も…。私のために教えてくれてるよ!」



「…………はあああ」



な、なんでそんな大きなため息つくの⁉︎


大きなため息をつきながらヘナヘナと力が抜けたようにしゃがむ。



「…そっかあ」



陽菜ちゃんどうしたのかな?
少し悲しそうな、あきれたような顔。



「う、うん?」



「ま、テスト頑張んなよ」



立ち上がって私の肩をポンと叩くと席へ帰って行った。


私はそんな背中をボーッと眺める。


んん?
いまいち状況が掴めなくて思わず首を傾げる。



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