意地悪なきみの隣。
「どした?」
「あ、高橋くん」
後ろから聞こえる声に振り返ると高橋くんがいた。
あれ、いつも隣にいる中島くんは今はいない。
「ん〜なんか皆不思議だな〜と思って」
「なんで?」
「中島くんはいっつも変なこと言うし、陽菜ちゃんは中島くんとどうなの?って聞いてくるし…。よくわからないなあ」
皆の思ってることって、もしかしたらテストより難しいかもしれない。
考えても答えらしきものは何も見えないもん。
「ははっ。西野らしいな。そんなのすぐわかんじゃね?大和とは仲良くやってやれよー。じゃなきゃアイツ拗ねるからなー」
「おい、紘樹。全部丸聞こえなんだけど」
「うえっ⁉︎大和っ!」
後から教室に入ってきた中島くんは、高橋くんの言葉を聞いてたみたいで後ろから首にガッと腕を回した。
まるでプロレスごっこみたい。
ギブギブギブ!なんて高橋くんが中島くんの腕を叩くと、中島くんはパッと腕をほどく。
あははって、思わず声を出して笑ってしまった。
「…別に拗ねたりしねーし」
べっと舌を出した中島くんは、高橋くんを引きずって高橋くんを強制的に席に座らせた。
ほんと、おもしろいなあ。
中島くんのほっぺがすこ〜しだけ赤くなってたのは秘密ってことで。