意地悪なきみの隣。
心臓はありえないくらいの速さで鳴っていて、今目を合わせてしまうと私は倒れてしまいそうだ。
図書室にある机は奥にあって、誰にも見られていない……はず。
「答え、今日じゃなくていいから。………テスト頑張れよ」
それだけ言うと、私の頭を少し乱暴に撫でて図書室を出て行った。
「す……好き?」
私は状況が掴めなくて、しばらく体が動かない。
ねえ……これは、また中島くんの意地悪なのかなあ…?
唇に手を当てると思い出す。
そうだ……わ、わ、私、中島くんに…き、き、き、キス……されたんだ…。
中島くん。
どうして、キスなんてしたの?
どうして、
『…………………俺のこと、好き?』
なんて聞いたの?
頭がいっぱいで、これ以上ここで勉強なんてできないよ。
体をゆっくりと動かして、私はお家へと足を運んだ。
いつもなら送ってくれてたのに。
いいよって言っても、絶対にお家まで送ってくれてたのに。
今日は先に帰っちゃった…。
中島くん……中島くんは、どんな気持ちで私にキスをしたのかな…。