意地悪なきみの隣。
テスト期間で朝練がないから私たちと同じくらいの時間に教室に入るのに、私と陽菜ちゃんに話しかけてくることはなくなった。
高橋くんとお喋りしてるの。
明らかに変な中島くんと、あれからついぼーっとしちゃう私を見て陽菜ちゃんは何かがあったんだって気づいちゃったみたい…。
ほんとに陽菜ちゃんはすごいよ…。
「何があったの?」
部活に所属していない私たちは午前中にテストは終わったから、お昼からは自由。
購買でお昼ご飯を買って、中庭に移動して木製のベンチに座る。
私は購買で買ったくるみパンをひとくち食べる。
「……あのね?」
いいよね、陽菜ちゃんに言っちゃっても。
なんだか誰にも相談しないなんてムズムズしちゃうし、1人じゃどうしようもないんだあ。
ゆっくり、陽菜ちゃんにあの日のことを話す。
突然、好きな人を聞かれたこと。
手をぎゅっと握られたこと。
『…………………俺のこと、好き?』って聞かれたこと。
……………き、き、キス、されたこと。